ぽかぽかレター27

夏休みも目前、みなさまいかがお過ごしですか。

 教室宛に、作文コンクールの案内が届きました。以前からいくつかのお知らせはあったのですが、「コンテストに入選する作文を書く」ということに意義を感じられず、みなさまにはお知らせしませんでした。

 なぜ、意義を感じなかったのか。それは、入選したいがために心にもないことを書き、推敲しているうちに段々と素直な気持ちが隠れてしまうからです。過去にこのような出来事がありました。作文教室の生徒で小学5年生Mちゃんの作文が学校の学年代表に選ばれました。そして、区の文集に掲載するために、担任の先生から修正箇所を指導されました。修正すればするほど元の作文から遠ざかり、ついにMちゃんは「これは、私の作文じゃない。先生の作文。学校も行かない。」と言い出したのです。気持ちはわかるなぁ、とママといろいろな話をしました。入試の作文も同様で、でも、戦略的には仕方がないのです。

 しかし、コンテスト入選を目指して一生懸命に書くのも悪くはありませんね。目標があるって素敵ですから。思い出しました、とても楽しい参加の仕方を……。私が通っていた高校でのことです。私はすでに卒業していたので、残念なことにその場にはいませんでした。国語の先生から聞いた話です。先生が担任する3年生のクラス全員が1年間、某新聞社の読者のコラムや俳句、詩などに投稿し続けたのです。その新聞社は、掲載されると賞金をくださる仕組みだったそうです。1年分の賞金を先生が貯めておき、3月卒業の前に入選した人もしなかった人もとにかくクラス40人全員で豪華に中華料理を食べに行ったと。その額なんと、24万円。「わぁさすがだわ」と私は感動したことを思い出しました。先生と生徒が自由に学び合う校風なので、実現したのです。入選した人は嬉しかっただろうし、入選しなかった人は悔しかっただろうし、関心のない人はちょっと辛かったかもしれません。一番面白がったのは先生かもしれません。うまく波に乗れたら、楽しみながら創造する力・書く力をつけたはず。その話を思い出して、コンテストも気楽にチャレンジしてみるのもいいなと思うようになりました。

 そこで、夏休みにチャレンジしたいという人、いませんか。あちこちでコンテストの募集がありますね。ご希望の方は、課題フォルダーのテーマはちょっとおいておいて、8月の作文教室はこのコンテストに向けた作文を書いてください。一緒に楽しく頑張りましょう。