ぽかぽかレター26

  ゴールデンウィーク、楽しんでいますか。私は新学期の慌ただしさからちょっと解放され、ほっとしています。でも、この大型連休の後が正念場。夏休みまで息つく暇もなく、楽しいことや大変なことが押し寄せてきます。頑張り過ぎずにわくわく張り切っていきたいです。

 さて、ぽかぽかレター25の続き。みなさまにご提案したいことの一つ目は、「テキトーな不便のススメ」でした。今日は二つ目の話です。子どもを怒らなくてすむ状況作りです。「これをやられたら絶対に怒鳴っちゃうなぁという場面を作らない」工夫をするということ。私も息子たちが小さかったころ、ガミガミ怒ってばかりのお母さんでした。

 パパ友が息子たちの仲間を駄菓子屋に連れて行ってくれたことがありました。なんでも好きなものを買ってあげると言われたのに、我が長男はなかなか買いたいものを決められなかったそうです。「これ買ったらお母さんに怒られちゃうかなぁ」ってブツブツ言っていた、母親に怒られるか怒られないかが物事を決める判断基準になってると、パパ友から教えてもらいました。(やってしまったぁ^^;)

 また、こんなことも。次男が3歳になったとき、バイオリンを買い与えたいと考えました。高校時代からの大親友はバイオリニストなので、彼女にどんな楽器が良いかを相談するために電話をしました。(携帯電話など持ち歩く時代ではなく固定電話が普通でしたね)あいにく留守で、彼女のお母様に聞いてみたのです。すると、とても素敵なことを教えてくださいました。「プロの演奏家にするとかとても耳の良い人に育てるつもりでないなら、子どもが自分のものとして名前を書いたり興味を持って分解しても、ココ(私のニックネーム)が怒鳴らなくてイイ値段の楽器を選ぶべきよ。それが1万円なのか10万円なのかは私にはわからない。ココが決めるのよ。」う~むなるほど。(さっすが~!)目から鱗とはこのことだと感動しました。それ以来、私が物事を決める基準は「これをやられたら絶対に怒鳴っちゃうなぁという場面を作らない」になりました。家でも作文教室でも小学校でも同じです。例えば子どもたちに何をされても怒らなくてすむ服(つまり息子たちのお下がり)を着たりして……。

 連休、ちょっと心に余裕ができたのでピアノでも弾いてみようかなとキーボードを引っ張り出したところ、(なんと!)鍵盤に油性マジックで「ドレミファソラシド……」と描かれているではありませんか。二人の息子のうちどっちだろうと一人ずつ聞いてみたところ、「記憶にない」「たぶんオレだ」との返事。(そうかい、そうかい、ピアノを弾いてみたかった時期があったのね。そういえば、教えてあげなかったね。ごめん。)今年、私は小学校では3年生の支援に入っています。先日の音楽の授業でリコーダーの代わりにミニキーボードを弾きました。ドレミの階名がわからない子や指またぎ指くぐりもできない子がたくさん。涙をぽろぽろこぼして弾こうとしている子がいて私はあっちこっちと忙しかったのですが、こんなふうに我が子も困っていたのかなぁと思いを馳せ切なくなりました。

 子どもたちは、親の知らないところでそれぞれ頑張っていますね。楽しいこともたくさんあるけれど、歯をくしばってチャレンジしていること、挫けそうになっていることいろいろいろいろ。だからこそ、自由な心でいられる時間もたくさん作ってあげたいし、そうすることでより多くの素敵な経験ができると思います。

 そういうわけで、「これをやられたら絶対に怒鳴っちゃうなぁという場面を作らない」工夫をすることをママのみなさんにご提案します。これができると、大人も気持ちが楽チン。

 

 ところで、今年の母の日は5月8日です。ぜひ、お手伝いをしてもらいましょう。お風呂掃除でも玄関の靴並べてもお箸をテーブルに置くでも楽しくお願いしてみてください。小学生も中学生も高校生も専門学校生も、お日さま作文教室の子どもたちは全員5月3週目は「お手伝い」をテーマに作文を書くことにします。よろしくお願いします。